ナショナルジオグラフィック日本版の裏表紙をめくった最終頁に「日本の百年」という連載があります。2020年12月号は「女学校の掃除の時間」というタイトルで、同誌の英語版が1938年１月号で取り上げた記事を再掲しています。生徒が校内清掃をしないアメリカの学校と、授業後に生徒が自分たちの教室や廊下を清掃する教育文化の違いに米国人記者は驚いているのですが、そこで使われている写真は、金城女子専門学校（現在の金城学院高等学校）の榮光館と木造校舎（現在の地塩館）を掃除する風景です。榮光館は1936年（昭和11年）に同地に建築されましたので、おそらく写真は建築翌年の1937年にとられたものでしょう。

現在はインターロッキングで地面は整備され、生徒がこのような清掃をしていませんが、現在と見まごうばかりの生き生きとした学校生活を映した写真は、突然タイムスリップしたかのようです。長い歴史と伝統があればこその、誌面上の出会いでした。

ナショナルジオグラフィック日本版